マンションの二つの老い・・・居住者の高齢化と建物の高経年化、問われて久しい問題かと思いますが、まだまだ解決策が見い出せる、というには程遠い状況のようです。

本日(H27.11.4)、マンション管理センター創立30周年記念シンポジウムが開催され、マンション管理に詳しい大学の先生方のお話を聞いてきました。

座長(モデレーターというらしい)の先生の出された課題の一つがこの「マンションの二つの老い」。パネラーの先生からは居住者の高齢化の対応について「親子近居」と「空き室のコミュニティ室化」が紹介されました。でも・・・・。

それらはもう10年近く前から実際に取り組まれたり、事例紹介されたりしていた気がします。

高齢者をケアできる親族が近くにいたり、コミュニティの場に参加できる高齢者ならばまだ問題は軽いのかもしれませんが、身寄りのない独居の老人、認知症の発症など、考えると本当に厳しい現実があるように思います。

昨年の法改正では、マンション建替え円滑化法に「建替え」でなく新たに「敷地売却」の制度が盛り込まれました。このように発想を変えるならば、単純ではありますが、例えばコンバージョン(建物用途の変更と全面改修)の手法を活用して、建物を綺麗にし存続させた上で、区分所有者・居住者にメリットのある新たなマンション活用の制度が考えられないか、それによって、この二つの老いに対して何らかの解決が考えられないだろうか、とふと思った次第でした。

 

投稿者プロフィール

木村誠司
木村誠司
28年間、地方公務員として、建築、都市計画、住宅、開発行政に従事。
自らが居住していたマンションで大規模修繕工事、管理委託契約見直しに尽力。
平成27年6月独立開業。マンション管理士・一級建築士