このブログでも何回か取り上げてきた、マンション管理計画認定制度ですが、令和5年度になり、施行後1年経過したこともあって、認定申請の受付を開始した自治体も増えてきたようです。

そして、以前から「この制度のキモ(鍵)はインセンティブ(動機付け)」と言ってきましたが、ついに、認定制度に関連して、各区分所有者(マンション各住戸の所有者)を対象とした固定資産税減免制度が動き始めました。その名も「マンション長寿命化促進税制」です。

予想通り、各区分所有者への直接のメリットとなる税制措置のため、反響が大きいとの話を、私が所属する関係団体からも聞いています。

しかし、・・・・

実は、この制度、大きな誤解が生じているようで、その税優遇を受けられると思った管理組合の方が、実は受けられないことがわかり、落胆とともに怒りを覚える事態となっていると聞きます。 

一体、どういうことでしょうか。

当然ですが、優遇を受けられるか受けられないかには条件があり、その条件に適合していなければ優遇は受けられない訳ですが、その条件がクセモノです。記者発表では、対象となるマンションが築後20年以上経過している10戸以上のマンションであることに加え、「長寿命化工事を過去に1回以上適切に実施していること」、「長寿命化工事の実施に必要な積立金を確保していること」が対象と記載されているため、これまで管理を適正に行ってきた管理組合は、まず、「うちのマンションは大規模修繕工事してきているし、修繕積立金も確保している」から、固定資産税の減額措置が受けられるっ!と考えてしまうと思います。

しかし、実は、この「長寿命化工事」をいつしたか(いつするのか)、や「積立金の確保」をいつしたのか、ということに詳細な条件があり、適用のハードルが高くなっているのです。

そして、この制度はそもそもその考え方として、これまで管理を適正に行ってきた管理組合は対象外、という大前提があるのです。これに怒りを覚える管理組合の方が多いだろうことは想像に難くありません。

端的に言ってしまうと、今回の固定資産税減免措置は、これまでマンション管理が脆弱だった管理組合や、行政から勧告等を受けるような管理組合に対し、管理を適正に行うようテコ入れ(嫌な言葉で申し訳ありません)する制度なのです。そのような管理組合にメリットを与えることによって、それ以上管理不全マンションとならないように歯止めをかける、という狙いを持った制度と言えるでしょう。

正直に言って私もこの制度の内容が分かるにつれ、驚きを禁じえませんでした。しかし、国・行政の決めることですので、どうしようもありません。
これまで地道にマンション管理に取り組んできた管理組合には恩恵のない制度ではありますが、そうであったとしても、適用の可能性のあるマンションにはできるだけ活用してメリットを受けていただきたいと考えております。

その場合は、マンション管理士がお役に立てると思いますので、是非、お声掛けいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(最後は宣伝か~い!)

投稿者プロフィール

木村誠司
木村誠司
28年間、地方公務員として、建築、都市計画、住宅、開発行政に従事。
自らが居住していたマンションで大規模修繕工事、管理委託契約見直しに尽力。
平成27年6月独立開業。マンション管理士・一級建築士