痛ましい事故が起きてしまいました。
2月5日の朝、逗子市の道路脇の斜面が崩れ、通行していた女性が巻き込まれてしまいました。犠牲になられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

この事故をブログで取り上げようと思ったのは、崩れた斜面はその上に建つマンションの敷地であり、その管理責任の問題が管理組合に生じる可能性があるとの報道があったからです。

造成地に建つマンションは多く存在すると思いますが、その場合、一般的には都市計画法に基づく開発許可を取得し、建築基準法に基づく建築確認も取り、それぞれの完成検査を経て敷地や建物を使用しています。これらの審査・検査では、開発区域内や建築敷地内に傾斜地がある場合は、そこを安全に造る(擁壁などを適正に築造するなど)ことが求められています。そして、敷地の所有者(マンションの場合は管理組合)はその安全性を維持し、管理する必要が生じることとなります。

ただ、マンションの管理組合では、建物や設備の維持管理については管理会社からの点検報告などで意識することがあったとしても、敷地内斜面地の崩落や擁壁のき裂など外構に意識が向くことは少ないように思えます。特に普段通行しない敷地の裏側の状況などはほとんど関心が向かないのではないでしょうか。

大阪北部地震のブロック塀の倒壊も痛ましく悲惨な事故を引き起こしましたが、これらのようなことが起こらないよう、管理組合の皆様も今一度、敷地内の傾斜地や擁壁、ブロック塀などの構造物の安全性について確認、点検してみてはいかがでしょうか。

投稿者プロフィール

木村誠司
木村誠司
28年間、地方公務員として、建築、都市計画、住宅、開発行政に従事。
自らが居住していたマンションで大規模修繕工事、管理委託契約見直しに尽力。
平成27年6月独立開業。マンション管理士・一級建築士