このブログでもこれまで何回かご紹介していますが、法改正により本年(2022年)4月より、新たに「マンション管理計画認定制度」が施行されます。

これは、分譲マンションの管理組合から、そのマンションの管理状況(「管理計画」)を行政庁に申請し、行政庁がその計画を認定基準に照らして審査して、適合している場合にそれを「認定」する、という制度です。

この行政庁による「認定」という制度は、マンション関係制度でもよくあるものです。例えば以前(昨年6月)、本ブログでも紹介した「長期優良住宅認定制度」もその一つです。

行政庁による施策の誘導方策としてよく用いられる「認定」制度ですが、この度、横浜市が新たに「よこはま防災力向上マンション認定制度」を令和421日からスタートさせたとの情報がありましたので、ご紹介いたします。

本制度は、「災害に強いマンションの形成と地域住民を含めた防災力の向上を図るため、防災対策を実施しているマンションを『よこはま防災力向上マンション』として横浜市が認定」する制度、とのことで、ソフト、ハードの面からそれぞれ基準に適合しているマンションを認定し、認定の特典として、認定証の交付と市ホームページでの公表、②地域防災力向上施設等に対する容積率の緩和(許可制度等との組み合わせ)があります。また、③認定を取得しようとする場合には専門家(防災アドバイザー)を派遣し、活動の支援を行う、とのことです。

認定後は、2年ごとに防災対策状況を報告しなければならないので、継続的な取り組みが必要となりますが、防災対策自体が継続性を必要とするものだと思いますので、その点はやむを得ないことと思われます。

防災はマンション居住者・管理組合員の意識啓発が非常に重要です。認定取得という取り組みをきっかけとして、施策の狙い通り、防災力が向上したマンションが増えることを期待しています。

【横浜市の「よこはま防災力向上マンション」に関するページ】

https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/jutaku/sien/bousaimansion.html

※ 今回ご紹介した制度は「防災」に係る認定制度ですが、実は「防犯」に係る認定制度はかなり以前から存在していました。「防犯優良マンション認定事業」というものですが、平成17年頃から国の指導のもとで防犯関係団体が運営しています。あまり実績は無いように思いますが、ご興味がある場合は事業名をキーワードとして検索してみてください。

投稿者プロフィール

木村誠司
木村誠司
28年間、地方公務員として、建築、都市計画、住宅、開発行政に従事。
自らが居住していたマンションで大規模修繕工事、管理委託契約見直しに尽力。
平成27年6月独立開業。マンション管理士・一級建築士