先日、ある機会があって、企業の働き方に関する講習を受講しました。その講習で、あるジャーナリストが企業の社員の生産性を高める方法を記載した記事が引用され、非常に興味深かったのでここでご紹介しようと思います。(※下記にそのホームページのURLを張り付けておきますのでご興味のある方は一読ください。)

その記事にはこう書かれています。
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浮かび上がってきたのは「他者への心遣いや同情、あるいは配慮や共感」といったメンタルな要素の重要性だった。つまり成功するグループ(チーム)では、これらの点が非常に上手くいっているというのだ。

たとえば一つのチーム内で誰か一人だけ喋りまくって、他のチームメイトがほとんど黙り込んでいるチームは失敗する。逆に(途中で遮られるかどうかは別にして)チームメイト全員がほぼ同じ時間だけ発言するチームは成功するという。

それは暗黙のルールとして、そのような決まりを押し付けるのではなく、むしろ、自然にそうなるような雰囲気が、チーム内で醸成されることが重要なのだという。

つまり「こんなことを言ったらチームメイトから馬鹿にされないだろうか」、あるいは「リーダーから叱られないだろうか」といった不安を、チームのメンバーから払拭する。心理学の専門用語では「心理的安全性(psychological safety)」と呼ばれる安らかな雰囲気をチーム内に育めるかどうかが、成功の鍵なのだという。
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この記事がなぜ興味深いかというと、これは上述のとおり、企業における社員の生産性に関する記事ですが、マンション管理組合の理事会などでも共通するのではないかと思えるからです。

理事会役員には、会社組織のような上下関係はありませんが、一部の声の大きい方が自分の思う通りの方針決定を強く主張し、他の役員がほとんど黙り込んでいる理事会運営が成功するでしょうか。
私の経験では、理事会において各役員の発言が活発で、各意見を集約した上で方決定をしている管理組合の方が、課題解決を着実に良い方向へ導く可能性が高いような気がします。

皆様の理事会はどうでしょうか。一度、ご自身のマンションの理事会運営について、各役員の「心理的安全性」が育まれているかどうか、意識してみてはいかがでしょうか。

※ グーグルが突きとめた!社員の「生産性」を高める唯一の方法はこうだ 小林雅一
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/48137

投稿者プロフィール

木村誠司
木村誠司
28年間、地方公務員として、建築、都市計画、住宅、開発行政に従事。
自らが居住していたマンションで大規模修繕工事、管理委託契約見直しに尽力。
平成27年6月独立開業。マンション管理士・一級建築士